私は自営業をしているわけですが、買物するたびに領収書をもらいます。(クレジットカードでの買物を除く)
ええ、もちろんくっそ面倒くさいですよ?
でももらう必要があるんです。
会社勤めの人も、上司に「領収書もらってこいよ!」と言われたことがあるのではないでしょうか。
それはどうしても会社にそれが必要だからです。
無意味にも思える紙切れをもらうことがどうしてそんなに重要か、詳しく説明しますね。
ざっくりと税金の仕組みを理解しよう
まずは基本中の基本部分から。
ここが理解できていないと領収書を理解することは不可能です。
(税金や簿記についての知識がある方は飛ばしてもらってOK)
どうして領収書がいるのかというと、節税(納税額を抑える)をするために欠かせないものだからです。
すべての日本国民は、すべての収益に対しての税金を国に納める義務があります。
税金は収益(売上ー経費)に対して掛かってくるため、経費が多くなれば税金は少なくなります。
節税のためには経費が必要
無駄に多くの税金は取られないようにするためには、事業のために使った経費はちゃんと経費として計上することが必要なんです。
ここまでは大丈夫でしょうか?
経費にできる出費を経費として計上しないのは、その金額×税率分を国や自治体に寄付するのと同じ行為なんです。
寄付したいということならそれでもOKなのですが、寄付するにしても一回収入として受け取った後に、各々の裁量で行うのが健全ではないでしょうか。
ここを理解していたら、会社で経理にガミガミ言われるのもわかると思います。
経費にできるものを経費にしないということは、その分お金を捨てている(強制的に寄付している)に等しい行為なんです。
架空の経費で税金を安く済ませる行為は、脱税として厳しいペナルティが課せられますので注意。
経費として使用したものは漏れなく申告しないと損をするという話です。
なんで領収書がいるのか
領収書は何かというと、「経費としてお金を使用したことを証明するもの」となります。
税務署も架空経費など作られて脱税されては困るので、原則として領収書のないものは経費として認めません。
つまり、支払ったお金を経費として計上して節税するためには領収書は必要不可欠となります。
領収書がないと経費にできないということがわかると、どうして会社の経理がガミガミうるさく言ってくるのか理解できますよね。
領収書をもらわないということは、会社のお金を捨てているに等しい行為なんです。
領収書がなくても経費にできる!?
上で「原則として領収書のないものは経費として認めません。」と書きましたが、「原則として」ということは、認められる場合もあるということですよね(笑)
ここまで熟読していただいた方は理解していただけると思いますが、領収書の目的は事業のためにお金を使ったという証拠を残すこと。
つまりそれを満たしていればOKということになります。
よくあるのがクレジットカード決済をした時。
基本的にクレジットカード決済は信用取引で金銭のやり取りが行われないため領収書はもらえません。
その代り「クレジットカード売上票(お客様控)」みたいなものをもらえますよね?
それが領収書の代わりとして認められます。
他にも正式な領収書でなくても下記5点が記された書類があれば、まず経費として認めてもらえます。
- その書類の作成者の氏名又は名称、
- 課税資産の譲渡等を行った年月日
- 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
- 課税資産の譲渡等の対価の額
- その書類の交付を受ける者の氏名又は名称
領収書は売れる!
領収書の重要性がよく分かるエピソードを1つ紹介します。
今では規制が強くなってほとんど見かけなくなりましたが、フリマアプリやオークションで領収書の売買が頻繁に行われていることがニュースになったことがあります。
ここまで読んでいただいたアナタだったらわかりますよね?
どうしてお金を出してまで領収書を買うのか。
どうして領収書を売買したらダメなのか。
買うだけでダメということはないのですが、買う以上目的があります。
人の領収書をコレクションするのが趣味というのも考えにくい…。
普通に考えると、経費の水増しということになります。
その場合、法律では以下のように扱われます。
領収書を利用して、支払ってもいない代金を支払ったとして返金を求めれば、詐欺罪(刑法246条)となったり、経費の水増しを行い、法人税や所得税の不正申告をすれば、法人税法や所得税法違反となり、追徴課税や罰則の対象となり得る
きちんと納税することは国民の義務なので、間違ってもアナタは人から買った領収書で経費の水増しなんてしないように。
それは節税ではなく脱税です。
まとめ
税金を減らすためには経費を増やす必要がある。
経費を認めてもらうためには、領収書を証拠として保管しておかなくてはいけない。
ゆえに、会社や事業者にとっては領収書はお金と同等の価値がある。